人間、歳をとると誰しも体力が衰えます。あなたも「最近、疲れやすくなったな」などと感じたことがあるのでは?
しかし、年齢のせいにして諦めてはいけません。年齢を重ねてからでも体力を取り戻すことは可能です。
この記事では、体力が衰える原因や体力作りの方法について詳しく解説します。参考にして、若い頃の体力を取り戻しましょう。
体力とは?
体力には、運動するために必要な体力と健康のための体力があります。
ここでは、それぞれの体力が衰えるデメリットや、衰える原因について解説します。
体力が低下することのデメリット
運動するための体力の低下には、さまざまなデメリットがあります。運動するための体力は、行動全てに影響するからです。
- 素早く動けなくなる
- 持久力がなくなり、動くとすぐに疲れる
- 反応速度が鈍くなる
行動するための体力の低下には、上記のようなデメリットがあります。
また、すぐ疲れたり動きにくくなったりすることで行動意欲の低下を招くこともデメリットです。
行動意欲の低下は、人と出会う機会や新しいことにチャレンジする機会までも奪います。
そして、健康のために必要な体力の低下は免疫機能や抵抗力の低下を招き、ウイルスや細菌に感染しやすくなります。
健康のための体力は、栄養不足や睡眠不足、慢性的な疲労の蓄積により低下しやすくなるため注意が必要です。
体力が衰える原因は加齢・運動不足・生活習慣
体力が衰える主な原因は、加齢・運動不足・生活習慣の3つです。
加齢による体力の衰えはどんな人にも平等に訪れ、それ自体を止める方法はありません。そのため、運動不足と生活習慣を改善してカバーする必要があります。
運動不足に関しては、現代社会に生きる多くの人が陥っている問題です。
これは車・公共交通機関・家電などが発達し、あまり動かなくても済むようになってしまったことが原因として挙げられます。
また、デスクワークやリモートワークをしている人は、さらに運動不足が顕著です。このように、体を動かさないことは体力の低下につながります。
そして、栄養バランス・寝不足・過労・ストレスなどの生活習慣の乱れも、体力の低下を引き起こす原因です。
持久力と筋力を鍛えよう
体力作りをしたいなら、まずは持久力と筋力を鍛えることをおすすめします。
この2つはすぐにでも手軽に始められ、早い段階で体力がついた実感が得られやすいからです。
また、運動不足は運動するための体力を奪い、健康にも悪影響を与えます。
そのため、まずは体を動かすための体力をつけることから始めると良いでしょう。
持久力をつける有酸素運動と筋力をつける無酸素運動を正しく行い、健康的に動ける体力をつけましょう。
簡単に始められる運動メニュー3選
初心者がいきなり高負荷で難易度の高い運動メニューに挑戦すると、挫折や怪我のリスクがあります。
ここでは、初心者でも取り組みやすく効果に期待できる運動メニューを3つご紹介します。
ウォーキング・ランニング
最も簡単に始められる運動はウォーキングです。さすがにランニングより効果は劣りますが、ウォーキングでも十分な体力増強効果が見込めます。
厚生労働省が作成した「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも「歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日60分以上」行うことを推奨しています。
1日60分を歩数に換算すると約8,000歩です。この時間や歩数を目安に、1日の生活で足りていない分をウォーキングで補うところから始めると良いでしょう。
一方ランニングは、ウォーキングと比べて強度が高い運動です。そのため週1~2回、ウォーキングの代わりに行うところから始めると無理なく始められるでしょう。
体力作りのためのランニングでは、速く走る意識を持つ必要はありません。ゆっくりで良いので同じくらいの速さを保つことが重要です。
息が苦しくて辛いなら速すぎます。少し速度を落としましょう。軽く息が弾んで、辛さを感じないくらいの速度が目安です。
まずは前述の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」で推奨されている週60分以上を目標に始めてみましょう。
自重トレーニング
手軽に筋力をつける方法としては、自重トレーニングをおすすめします。
自重トレーニングは自分の体ひとつでできるため、誰でも簡単に取り組みやすいからです。
代表的なものとしては、以下の3種目が挙げられます。
- 腕立て伏せ(プッシュアップ)
- 腹筋(クランチ)
- スクワット
あまり間を空けるとせっかくついた筋肉が落ちてしまうため、週2回~3回を目安に行うと良いでしょう。
逆に、あまり高頻度で行うのも良くありません。筋肉は、トレーニングで破壊された筋繊維が修復する際に、元の筋繊維よりも太くなることで大きくなります。
筋肉が修復する前にまた破壊してしまうと、かえって効果が落ちてしまいます。
そして、自重トレーニングでは次の2つを意識することがポイントです。
まず反動をつけないこと。反動をつけても筋繊維は破壊されないため、辛くても筋肉の力で動作を行うように意識しましょう。
もうひとつが筋肉をピンポイントで意識すること。腕立て伏せなら腕や胸、スクワットなら太腿といったように、鍛える部位の筋肉を常に意識しながら動作を行いましょう。
常に意識してトレーニングすることで、しっかりと狙った筋肉が鍛えられます。
縄跳び
体力作りのイメージはあまりないかもしれませんが、縄跳びもまた体力作りにおすすめの運動です。
縄跳びは下半身の筋力や体幹、心肺機能を中心に、ランニングよりも高強度で鍛えられます。
外で行うイメージが強い縄跳びですが、縄の無い縄跳びを使うことで室内で行うことも可能です。
また、ランニングや自重トレーニング前のウォーミングアップにも適しています。
これらの運動と組み合わせることで、より高い効果に期待できるでしょう。
縄のある縄跳びの場合、縄に引っかかると効果が落ちてしまいます。できるだけ引っかからずに続けられるペースや飛び方を意識して行いましょう。
手軽に取り入れられる生活習慣3選
ここまで、おすすめの運動メニューをご紹介しました。しかし、体力作りには運動だけではなく生活習慣の改善も大切です。
ここでは、手軽に取り入れやすい生活習慣を3つご紹介します。
バランスのとれた食生活を心がける
体力作りに適した栄養素は、タンパク質・BCAA・ビタミンB群の3つです。
全ての栄養素をバランス良く摂るのが前提ですが、特に意識して摂ることで効率良く体力作りができます。
タンパク質
タンパク質は筋力トレーニングには必須の栄養素です。
たんぱく質は、炭水化物、脂質と共にエネルギー産生栄養素のひとつです。全ての動物および植物の細胞を構成する主要な成分であり、生体乾燥重量の約50%を占めます。
引用元:厚生労働省
せっかくトレーニングをがんばっても、筋肉の材料になるタンパク質が不足していると筋肉はつきません。
タンパク質は主に肉類や大豆に多く含まれるので、積極的に食事に取り入れましょう。
食事で補いきれない場合は、プロテインを飲むのも良い方法です。
良質なタンパク質を、好きなタイミングで手軽に摂ることができます。
BCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)
体力をつけたいなら、BCAAも積極的に摂るようにしましょう。
BCAAはいずれもヒトの体内では合成されないため、栄養学的な不可欠(必須)アミノ酸である。
引用元:食品分析開発センター
BCAAは9種類ある必須アミノ酸の中でも、筋肉の合成やエネルギー代謝に深く関わる重要な栄養素です。
筋肉中のタンパク質の分解を防いで、運動中のエネルギー源にも利用されます。
肉・魚・卵・乳製品・大豆製品に多く含まれるので、足りないと感じるなら意識して摂るようにしましょう。
本格的にトレーニングしたいなら、プロテインやサプリメントでの摂取もおすすめです。
ビタミンB群
ビタミンB群もまた、体力作りの大きな役割を担う栄養素です。
運動するために必要なエネルギーは、糖質や脂質、アミノ酸から作られますが、それぞれ単体ではエネルギーに変換されません。
このエネルギーへの変換で大きな役割を担っているのがビタミンB群です。
体内のさまざまな代謝に必要な酵素の働きを補っています。ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)、ビタミンCが水溶性ビタミンに当たります。
引用元:厚生労働省
特に以下の3つのビタミンBを意識して取り入れるようにしましょう。
- ビタミンB1・・・糖質をエネルギーに変換する際に必須の栄養素。豚肉や大豆、玄米などに多く含まれる
- ビタミンB2・・・糖質、脂質、タンパク質全ての代謝に関わる栄養素。卵や納豆、まいたけなどに多く含まれる
- ビタミンB6・・・タンパク質やアミノ酸の代謝に関わる栄養素。鶏ささみやマグロ、カツオなどに多く含まれる
睡眠の質を高める
睡眠の質を高めることも、体力作りの大切な要素のひとつです。
質の高い睡眠をしっかりとらないと疲労が回復しないため、運動効果が落ちてしまいます。
また、筋力をつけるためにも睡眠はとても大切です。しっかり睡眠をとることで筋繊維の修復が促され、効果的に筋肉が肥大します。
最低でも7時間は睡眠をとるようにして質も大切にしましょう。
睡眠の質を高めるためには、睡眠前に食事やお酒をとらない、運動は就寝3時間前までに済ませるなどの工夫がおすすめです。
生活の中で楽をしない意識を持つ
日頃の生活の中で楽することを避けるのも、体力作りに有効です。
楽をしようとするとそれだけ体を動かさないため、どんどん体力が落ちてしまいます。
- 一駅や二駅なら電車を使わないで歩く
- エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使う
- 近場への買い物に車を使わない
こうしたことを意識するだけで、生活の中で運動量を増やすことができます。
疲れているときに無理をするのではなく「調子良いから歩こうかな」くらいの意識で行うと取り入れやすいでしょう。
一つひとつは小さなことかもしれませんが、小さなことの積み重ねが体力を左右します。
体力作りの初心者でも挫折しないための心構え
初心者が何も考えずに体力作りを始めると、挫折する危険性があります。何事も、始める前の心構えが大切です。
ここでは、体力作りを始める際の心構えを解説します。
明確な目標を作る
体力作りを始めるなら、まずは明確な目標を作りましょう。
漠然と「体力をつけよう」と思うだけでは長続きしづらいからです。
「こうなりたい」「これができるようになりたい」など具体的な目標を設定することで、そこに向かって努力できるようになります。
また、「腕立て伏せを◯回できるようになる」「◯分間走れるようになる」など、短期的な目標も設定するとさらに良いでしょう。
短期間での目標設定では、達成するハードルを低く設定するのがコツです。ひとつ達成するごとに達成感が得られるため、モチベーションにつながります。
無理な計画を立てない
無理な計画を立てないことも体力作りには大切です。無理な計画は挫折を招きます。
過去によほど運動習慣があった人でもない限り、計画は慎重に立てたほうが良いでしょう。
特に長年運動していない人は、自分のイメージよりも遥かに体力が落ちているかもしれません。子どもの運動会の親子リレーなどで、転倒する人が多いのはそのためです。
また、無理をすることで怪我のリスクも高まります。「こんなちょっとじゃ意味ないかな?」と感じるくらいから始めるのが、挫折せずに継続させるポイントです。
習慣化が最重要
明確な目標を作って無理のない計画を立てたら、習慣化を目指しましょう。
体力作りのための運動や生活習慣の改善には、習慣化させることが最大の近道だからです。慣れるまでは大変でも、習慣化してしまえばそれほど苦ではなくなります。
そのため、体力作りの最初の目標は、習慣化することで続けるハードルを下げることに設定しましょう。
運動のための体力も、健康のための体力も、つけるためには地道な継続が不可欠です。そのため、習慣化の成功が体力作りの鍵を握っていると言っても過言ではありません。
体力作りをして若い頃の体力を取り戻そう
この記事では、簡単に体力作りができる方法を解説してきました。
意外と簡単に取り組める内容だったのではないでしょうか。
体力作りには毎日の継続が何よりも大切です。
この記事を参考にして、少しでも若々しく元気な毎日を送っていただけたらと思います。